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『……相変わらず、仲の良いことだな…』
小馬鹿にしたような笑い声と共に、男の低い声が響いた。
「……また、おまえか…」
振り向く前に私達には奴の正体はわかっていた。
『私がいつ現れようがおまえには関係のないことだ。
私も誓いたいことがあったので来てみただけのこと。
星の神の前で誓うぞ…!
今回も必ずあの女を必ず殺す!…とな…』
「馬鹿野郎、そんな誓い、神様がきいてくれるわけないだろ!」
『そうかな…
まぁ、そんな者がきいてくれようがくれまいが、私には関係ないのだがな。
私は遥か昔からあの女を殺し続けて来た…そしてこれからも未来永劫それを続けることをおまえ達の前でまたあらたに誓おう…』
「ふん!俺達がそうはさせるものか!
クロワさんには絶対に手出しはさせないからな!」
『……相変わらず威勢だけは良いのだな。
楽しみだ、これからの旅が…ハハハハハハ……』
不敵な笑い声を残して奴は空気の中にかき消えた。
「チェッ…なんだ、あいつ…」
奴が本気だということは、十分にわかっている。
それだけに私も本気で考えなければならない。
奴がどんな手を使ってくるのかはわからないが、たとえそれがどんな手だとしても絶対に阻止しなければならない。
これからは、今まで以上に気を引き締めていかなければ…
(神よ…どうか、私達をお護り下さい…!)
私は、星の瞬く夜空に向かってそっと呟いた…
vol.1~Fin
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