ネモフィラ

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「そろそろお腹が空いたね」  美沙が言う。丘を降りて近くの売店に行くと、弁当が並んでいた。 「釜めしがいいかな」 「でも、朝駅弁食べたから、似たような感じになっちゃうよ」 「そうだな。じゃあ、食堂に入ろうか」  そこに張り出されたポスターを見て、僕は仰天した。  『ネモフィラカレー』  青いルーのカレーライスの写真が目を引く。 「わあ、面白い。私これにしようっと」  美沙はさっさと決めてしまう。食に関して保守的な僕には、ちょっと気色悪い。僕は普通にラーメンの食券を買った。でも、美沙のそういうところがまた僕は好きなんだ。やっぱり、美沙といるとほっとする。
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