ネモフィラ

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 僕は彼女の美沙にちょっとした小旅行に誘われた。  ネモフィラの花が見たいという。 「ネモフィラ? なんだそれ」  僕は花の名前など知らない。 「空みたいなきれいな青い花。花が光って見えるんだよ。行こうよ」  美沙は一見童顔でおとなしそうに見えるが、案外頑固である。言い出したら聞かない。 「いいよ。いつにしようか」 「ほんと? やった」  美沙はぱっと笑って、アイスコーヒーをストローで吸い上げた。そのしぐさも愛らしい。まあ、いいか。美沙が喜ぶなら、なんだってつきあってやるよ。  そういいながら、僕自身も気分転換を望んでいたのかもしれない。  
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