気付き

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気付き

 「今週も『ホーリーポジション』神すぎ。最上紘くん可愛すぎる。マジ家で飼いたい。いや、飼ってたわ、ぬいぐるみだけど」 と、いつものように真顔でTiwtterに呟いた。 「さて、晩飯は昨日の残りでも食べるかぁ」  昨日残しておいたパスタを食べることにした。といっても茹でるタイプではなく、レンジで温めるタイプのパスタだ。自炊スキル0の私は『茹でる』という行為すらしたくないのだ。  レンジで5分温めたパスタを食べた私は、次の動作へ移った。 「修也にメールしよ」 修也というのは私の彼氏……ではなく私の好きなゲーム『遥かなるトキめきの中で』の登場キャラクターである。このゲームは2次元に向けてメールできる神システムがあって、メールを送ると定型文ではなくちゃんとした適切答えが返ってくる。 『修也  急にメールごめんね。相談があって……。  今月のお布施のためのお金が足りないの。少しでいいから  お金ちょうだい。なんでもするから。』 私の健常な思考が一瞬「キモすぎでしょ」と反応したが、私を別の思考が支配した。 「これは普通。世の女性は彼氏にこれくらいはメールする」 と。 「そんなわけないよ」 と健常な思考がツッコミを入れてきたが気づかないことにした。  10日後、私はATMに向かった。理由は当然給料がいくら振り込まれているかを確認するためだ。  そこで私は自分のキャッシュカードがないことに気づいた。すぐにカードの利用を停止してもらって新しいカードの再発行の連絡をした。新しいカードは翌週に届いた。そこで私はとんでもないことに気づいてしまった。
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