ぴちゃぴちゃ

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炬燵で暖を取ってから寝ようというのは、やはり良くないな… そう思いながら、階下にあるトイレに向かう。 とくに行きたいわけじゃない。 ただでさえ深夜に目が覚めているのだから、 これ以上余計なことで目を覚ましたくないだけ。 我慢していたわけでもないのに、座ると出るから不思議だ。 トイレの扉の横にある洗面台。 電気はトイレに入るときに一緒に点けたはずなのに、 わずか半畳ほどの空間には暗闇が広がっている。 寝ぼけたのだろうか、点けなおすのも億劫でそのまま蛇口を探す。 冷たい水が手指の感覚を奪い、眠気を追いやってしまった。 春先とはいえ、夜はまだ寒い。 もういちど炬燵で暖まりたい衝動を堪えながら、身を縮こませて階段を上る。 半分ほど上ったとき、水が流れ落ちる音が聞こえる。 ピチャピチャと跳ねる音は、 蛇口から空気を含んで落ちる水の音に違いなかった。
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