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「ちゃんと覚えてるの、俺のキス」
キスのほんの合間にフッと笑んだ瞳、否応無しに再び封じられた呼吸と理性──それらは「もがいて」の合図。
受け止めても受け留めても溢れないよう口元に手を添えようが、それから逃げる術はない。
「……っん、覚えて、う……んぁ、ちゅ、ぁぷ……」
なんて、甘濡れた鳴き音が漏れるのだろう。投げかけられた質問に答える余裕さえくれない。どんなアルコールより陶酔作用を持ち合わせていた。
「もっと上手に舌絡められるでしょ、ほらして」
「ぁふ──、んんぅ」
「うん、そう、上手」
甘くて甘い、毒々しい罠。あの夏の夜のようでまるで違う。万が一にもカラダが反応してしまわぬよう口も筋肉も強張らせる。結果的に無駄な足掻きだった。開かれた胸元はいとも簡単に貴方を受け入れ、ぷくりと膨らんだ惚の実は熟れに熟れ、熟すのを待ちわびていたのだ。
「んはっ、美馬さ、こんなの嫌っ──んく!」
初めて触るモノのように控え目に摘ままれた惚の実。その根元を摘みつつ舌でコロコロと弄ばれる。擽ったくて腰が遊び、不意に啄ばまれるとピクンと身体が浮き、しなやかな腰つきでオンナを演じてしまう。
「優しく摘まんだだけで我慢出来なくて、少し転がしただけで身をよがされて、これのどこが嫌がってるカラダなの」
もがけばもがく程食い込む鎖がカラダを締め上げる。それは混じりっ気のない嫉妬と、快感だった。
「それとも、好きでもないオトコにイジられてこんなに濡れるものなの」
「そ、んなこと──ぁ、ふ……ん!」
それが太腿の奥まで到達したならついにチェックメイト。ショーツに指一本突き立てられただけで口ほどにもないカラダが開き咲き乱れるのだ。
「今だけでも抱いて?」「好きって言って?」「カラダだけでも愛して欲しいの」貴方を求めるコトノハばかりを募らせる。
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