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そして普通に憧れる君は、隣を歩くただ普通の人間を嫌うのだろうか。
そう思うと、少しだけこの俺たちの距離感が……嫌だ。
「私はこの病気に対して、苦を感じたことはないよ。ただ……桐生くんに出会うまでは」
凛とした表情で、君は俺を見た。
透き通るような白い肌に、真っ赤に咲き誇るその菊の花がゆっくりと花びらを反らせていく。
「え……俺?」
「うん。桐生くんが、原因かな」
「ごめん、俺何かしちゃったかな……」
「桐生くんが謝っても、これはどうしようもない事だから」
衝撃が走っていくこの感覚に、俺は少しフラリとなるが何とか足に力を入れて留まった。
少しだけ意地悪そうなその目付きに、俺はどうしようもなく君が欲しくなる。
病気に苦しむ原因が俺だと言うなら、その口で態度で突き放してくれればいいのに。
君は何故か優しく包み込むように、そんな雰囲気で俺を見つめる。
……嫌われてもいい、俺は君を知りたい。
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