プロローグ

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先ほど言ったように俺は移植を受けることを決めた。 そして俺は「生前臓器讓渡・移植制度」を利用することになった。 それはつまり俺にも提供者が存在するという事だ。 ふと机を挟んで目の前の空っぽの椅子に視線を移す。 ここに座るのは俺の「提供者」になってくれる人だ。 相互の理解を深めるため、 また受給者の罪悪感を減らすため、 双方が望めば患者と提供者は手術前の期間に面会することが出来る。 俺の場合、両親が面会を希望し、あちらからも是非という返答が得られたためこうして初めての面会にのぞんでいるのである。 初対面の相手と2人きりで会って何を話すんだよ、と思わなくもないのだが_ 「こんにちは」
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