魔女とカエル

1/7
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ

魔女とカエル

昔、ある村に、魔女と使い魔のカエルが住んでいました。 魔女は幸せに、カエルは不幸に暮らしていました。 なぜなら、魔女はカエルをこき使い、カエルは魔女にこき使われていたからです。 魔女はカエルに家事の全てを押し付けていました。 その間魔女は延々と鏡や水晶玉をのぞきつづけています。 村人から依頼が来た時以外は全く動かないのです。 カエルは何度魔女に家事をするよう言ったことでしょう。昔の魔女はよく働き、使い魔に仕事を押し付けるようなことはなかったのに… 年々魔女は我儘に横柄になっていきました。 カエルは何度も魔女に訴えました。 「自分の小さな体では全ての家事を完璧にこなすのは無理がある」と。 しかし魔女は聞き入れてはくれませんでした。 とうとう千百一回目の訴えで魔女は言いました。 「そんなに言うならば働く者を増やせば良いではないか、そら」というなり呪文を唱えました。 「かえるピョコピョコみピョコピョコ、あわせてピョコピョコむピョコピョコ」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!