腕試し

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腕試し

暗闇の先から光が差し込む。その光がこちらへ来るようにだんだん大きくなっていきシークを包み込む。目をゆっくり開けるとそこは魔法で作った部屋の中だった。その後シークは呟き、魔法を発動させた。 「もう2年経ったのか。ロステル達は元気だろうか。・・・ステータス」 するとシークの前に青い表示がでた。シークはあることに気がついた。 転生前と大きく異なる点が3つ。1つはレベルが1になり、能力値が下がっていること。2つ目は魔法適性度が全て少しずつ上がっているが、闇だけが大幅に増えている。3つ目は職業が魔法使いから賢者になり、神の加護が大量に付いている。シークは変わっている点を試すべく、外に出ることにした。 「重力制御(グラビティ)」 部屋が外に浮上し、外に出れるようになった。部屋から出たシークの目の前にあったのは、2年前訪れた村が焼けている様子だった。そしてその上空に黒い翼の生えた人型の生き物が見えた。魔族だ。それも1人や2人ではない。何十人もの魔族が村を襲っていた。シークは怒り、村へ突撃していった。 シークに気がついた魔族はこう言った。 「まだ人間がいるぞ。殺せ殺せ」 シークはその言葉を聞き魔族に聞き返した。 「この村の人は全員殺したのか?」 魔族はそれを聴くと笑い出し、答えた。 「そうだよ。俺たちが殺したんだよ。全員な。」 シークはそれを聞いた瞬間一つの魔法を唱えた。 「紅蓮地獄(ラバーメテオ)」 魔族はそれを聴くと青ざめ上を見た。魔族の上空には赤く、丸い玉が何個も浮かび、それが落ちてくる。魔族は断末魔にこう叫んだ。 「なぜ、なぜ貴様なんかが世界4大魔法を使えるんだ〜」 魔族を全て倒しきった後、シークはこう答えた。 「俺が世界最強の魔法使い、いや、賢者だからだ!」 魔族を倒したシークは村の人を埋葬し、手を合わせた。そして立ち上がり、近くの荒野へ向かった。 ー荒野ー 荒野に来たシークはあることを試す。 「転生したことで何が変わったか確かめないとな。まずは魔法からか。」 近くにいたファイアーバード(赤い鳥の魔物)に手を向けた。すると呪文を唱える前に手に魔法陣が浮かび上がり、青い火が放たれた。ファイアーバードは青い炎に包まれ、みるみる黒くなり、灰になった。シークはこれを見て少しびっくりした。転生前の威力なら、火属性のファイアーバードに火属性の魔法の『ブルーファイアー』では焼き殺すくらいの威力しか出なかった。ところが転生後だと、灰にするまで威力が上がっている。シークは他の魔法も試して見ることにした。転生前は火属性の適性は通常値だった。その火属性がかなり強くなっていた。ならば、適正値が低い魔法はどうなっているのだろう。シークの適性は、光、水、風属性の適正値が高く、火、闇属性の適正値が通常値、木、土属性の適正値が低い。なら、木属性の低位魔法を使ってみよう。 近くの木に向かって手を伸ばした。するとまたもや呪文を唱える前に木の枝が折れ、槍状になって落ちてきた。 木属性低位魔法木材加工(ウッドクリエイティブ)以前の俺なら、枝を折るのが精一杯だった。それが完全に扱えている。これは能力値はかなり上がっているようだ。 色々試したが俺の適正値はこうなったらしい 最高 光、水、闇 高 風、火、木 普 土 なぜか通常値だったはずの闇属性が最高値になっているのかはわからないが、転生によりかなり能力値がアップしているようだ。 魔法も低位、中位、上位、最高位魔法なら無詠唱で放てることがわかった。 「さてと俺の能力値もわかったところで、行きますか。最強の称号を持つ者たちのところへ」 ー次回 忍びの里ー                                続く
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