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壁の町
五年前、一人の男が王への反乱を起こした。
男は自身の野望のために、国外の野獣たちを異形に作り変え国を襲わせた。
被害は凄まじく、国家が誇り抱える軍人全てで応戦したが、事の終息まで三日がかかった。
ついに男は捕らえられ、処刑される。
その一年後には男に加担した者達が反乱軍として異形と共に王国を永久追放された。
ようやく終わったかのように見えた事件であったが、男が生きていたときの方がマシだったのではないかと思うほどの事態に陥る。
腹を空かせた異形達が、次々に町人を喰らい始めたのである。
これを見た王は最初こそ軍人達を町に配置していたが、結局は城と町を繋ぐ橋を取り壊すように命じてしまった。
見放され、ただ逃げることしか出来なくなってしまった町は、いつしか八つに分かれ、この五年の間で二つにまで減ってしまった。
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