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現在残っている町は、地中を拠点としたエンドローズ、壁におおわれたウォンシュ、この二つである。
ウォンシュに住む18の娘、アサギを中心としてこの物語を綴る。
ウォンシュ
生存者58名
内戦士21名
この中でアサギはA.A.Bと、他のものと比べて最もAAAに近い成績を残している。
すけば煌めく糸のような美しい金髪と、少し気だるげな蒼の瞳。
一度見れば忘れないであろう整った容姿の娘であったが、どうにもとっつきにくい性格をしており、どうしてもAAAに届くことが出来ないBの評価は、民からの不満が関係していた。
仕事は迅速、こなした依頼の数も町一番。
ただこなすだけで依頼人への対応が随分とおざなりになってしまい、せっかく民が普段のお礼にと菓子を包んでも、渡す前に居なくなるのだからそれは不満もつもる。
因みに、以前私が「彼女はもう少し周囲に甘くなれないものか」と連れに言えば、「お前も大して変わらなかったけどな」と返され、なんだか微妙な気持ちになった。
こんな風に、周囲から評価したくても出来ず、最良とは言えない成績が続く彼女であったが、彼女自身が非に気付いていないわけではなく、わかってはいるのにAAAを求める焦りから、兎に角数ばかりに目をやってしまうというのが現状だった。
まあ、それでも最初の頃に比べれば柔らかくなったほうである。
なにせ最初の彼女の評価はCだったのだから。
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