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「あの子…お前の大切な人なんじゃないのかよ!?」
「煩い…。お前には関係ないだろう!」
ぶつかり合う拳と拳。
「はっ!だあっ!」「ふんっ!はっ!」
殴打の嵐は止むことなく続く。
「がぁっ!」「うわっ!」
黒龍騎士の拳が龍騎の胸を捉え、大きく退く羽目になる。
「っ…だぁああ!」
退きからのドロップキック。
それに、大きく吹っ飛んだ黒いライダーは地に伏した。
だが…。
「!?」
奴が握っていたカード。
『ーAdventー』
それが戦局をまた変える。
常世の闇より現れる黒龍。
俺のモンスター、無双龍と似て非なるその龍は、俺を這うように追い詰める。
「ぅわぁあああっ…!」
壁際に追い込まれ、退く場がない。
その時。
『ーーーーーーーーー!!!』
壁を破り、俺の相棒が姿を現す。
睨み合う紅龍と黒龍。
『『ーーーーーーーーー!!!』』
互いに放った火球が第2ラウンドのゴングだった。
「だぁああああああ!」
「はぁああああああ!」
炸裂する交錯拳。
「ぐ…!」
「っ…!」
互いに薄れていく意識を感じ、俺もアイツも仰向けに倒れたのだった。
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