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「敵はいくら居るか分かりません!ここはカードを温存し…「こりゃ負けてられねえな…!」
『-Hold Vent-』
私の忠告を無視し、隠遁者の眼を模した武器、バイオワインダーを構え、振るう木村。
鋼より堅牢かつ娿に踊る糸。
その先の魔眼は次々とシアゴーストを打ちのめしていく。
「ふっ…!」
それを見た手塚は
『ーCopy Ventー』
他の者の武器を写し取る力を用いて、もうひとつのバイオワインダーを手にした。
2つの魔眼の乱舞。
敵を瞬く間に打ち倒すそれは、流麗な舞踏会。
『ーTrick Ventー』
私と同じ姿と力を持つ秋山蓮が発動したのは無数の合わせ鏡のように騎士の分身を生み出す力。
しかもその力は1度では終わらない。
1人から2人。
2人から4人と倍倍ゲームさながらタイムラグとともに増え、最終的には8人へと増える。
騎士は騎士団となり、目の前の魔物を討伐していく。
「お、俺も!」
終に城戸真司までもがカードを引く。
『ーStrike Ventー』
右手は無双龍の頭となり、灰の空には紅き龍が舞う。
「ぁああぁああ…!」
這う様に響く吐息。
そして…。
「だぁああああああああ!」
『ーーーーーーーーーー!』
雄叫びと咆哮。
それを合図に放たれた業火は数多のシアゴーストを紅蓮の海に沈めた。
「…温存しなさいと言ったのに」
片や、召喚を行わずに翼召剣一本で戦っていた私はあまりにこちらの言うことを聞かない嘗ての勇姿に対して独り言ちるのでした。
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