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______________ 「イライラするんだよ…お前ェ…!」 眼前に迫り来る毒蛇の王。その地を這う様な怒りは俺を捉え続けるだろう。 鎌首を伸ばすかのような手刀。 それを軽くいなして背後を取ると、そのまま蹴りを叩き込む。 「ぐっ…!!」 さらに襲い来る愚者への一撃は、()だ手に残る龍の(あぎと)によるものだった。 「ぐぁあああああああ!」 右手に喰らいついたそれの口内には黒い炎が燃え盛る。 異界の炎が奴を捕え、離さない。 「な、なんだ…腕が…!」 黒い炎は奴の手を焼くのではなく石化させていく。 「があっ!」 無理やりそれから逃れた奴は荒い息を吐きながら、硬化した腕を食い入るように見つめていた。 「っ!…おぉおお!」 動かそうとしても、奴の腕はもう使い物にならない。 武器はおろか、手札(カード)も手にすることは出来ないだろう。 「案外呆気ないな…噂の凶悪犯も」 「何…!」 「浅倉威(あさくらたけし)…お前はここで死ぬ。」 牙をもがれた毒蛇の王へと歩みを進める黒龍(オレ)の心は澄んだ黒水。一片の波紋も無い。 「…せめてもの救いだ。不自由を無くしてやるよ」 『ーSword Ventー』 片刃の黒龍刀(ドラグセイバー)。 振り抜かれたそれは。 「ぅあああああああああああっっっ!!」 石と化した奴の腕を斬り落とした。 石となった腕からは血も出ない。なのに痛みはあるというなんとも不可思議で残酷な現実だ。 「…辛いだろ?お前が殺した人達も同じように苦しみ抜いて死んでいった…。俺の家族もな」 目の前で痛みにのたうちまわり、這い蹲る男は俺の家族を奪った人間(化け物)。 コイツは…コイツだけは俺の手で殺してやる。
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