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______________ いよいよ目でわかるくらいに数は減ってきた。 だが、俺達の手札(カード)も、もう心許ない。 「っ…!もっと手数がありゃあなぁ!」 魔眼(ヨーヨー)を振るう腕も疲れてきている。 秋山も手塚も疲れが見え始め…。 「うわっ!」 「っ!」 目に入ったのは手甲を弾かれた城戸の姿。 そこを逃すほど物怪(モンスター)は甘くない。 「城戸!!」 刹那、(はら)に痛みが走り、視界が揺れて…霞んだ。 ______________ 何が起こったか数瞬(しばらく)判らなかった。 視界を覆うのは鮮やかな翠。 それは鏡が割れるような音と共にベージュに変わり、地に堕ちた。 「…っあああああ!」 喚き散らす子供のように、拳を振るい白い化物を殴り倒して倒れた木村に駆け寄る。 「おい…!木村…!木村!」 木村を抱いた手は、龍の赤では無い紅に濡れる。 手の震えが止まらない。 「おい…待てよ…「城戸…」 木村の言葉が俺の怯えを止めた。 「弱音なんざ吐いたら…カミナリ落としてやる…!」 「…!」 「お前は…会ったばかりの俺らにも…こんな状況でも優しかった…すげぇよなぁ…」 「なんだよ…それ…」 困惑する俺に木村は精一杯の笑顔を向ける。 その瞳はどこか満ち足りた様に見えた。 「俺を…心配…しようなんざ…100万年早ぇ…」 声はどんどん弱くなっていく。 なのに木村の顔は安らかになっていく。 何故だろう…。 その答えは… 「お前を守れたんなら…俺ァ、満足だ…」 目もほとんど開いていない。 口からは一筋の鮮血が洩れている。 「…最後に、お前らとビール飲みたかったなぁ…。」 その一言を遺し 「木村…っ!木村ぁぁぁぁあっ!」 木村は俺の手の中で消えた。
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