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「っ…!」
痛みを覚え、身体が覚醒する。
「…耶俥さん。…西園寺さん。」
倒れ伏す二人は鎧を纏ったまま意識を失うという奇妙な状態。
薄暗い周囲を見渡すと、そこは地下駐車場へと続く下り坂らしい。
「…?」
微かに聞こえてくるのは太刀音。
というには妙に鈍い音だが、私はその音のする方へと向かった。
「…!!」
そこに居たのは緑の銃士…ゾルダと。
それをめった斬りにする黒い龍騎士、リュウガだった。
「まさか…!」
剣を抜き、ゾルダが吹き飛ばされ、大きく間の空いた所に割って入る。
「っ!お前秋や「違いますので黙っていてくださいますか!?」
昂りが抑えられない。
それを察知したのか、黒龍騎士はぼんやりとこちらを見遣る。
「…まさか、あの手塚海之の言う通りになるとは思いませんでした。冬摩さん…貴方は一体ここで何をしているのです!?」
ピクリと微かな揺らぎがリュウガ…冬摩 刃の動揺を表していた。
「…零さん、何しに来た」
「決まっているでしょう…貴方を、連れ戻しに来ました」
「連れ戻しに…か。」
小刻みに肩を震わせる。
「何が可笑しいのですか…?」
その問いへの答えは極めて異質と言わざるを得なかった。
「君の知る冬摩 刃はもういない…。俺はこの…ミラーワールドの冬摩だよ…。」
「そんな…!?」
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