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「嘘だろ…!?」
城戸 真司の眼は怯え、秋山蓮、手塚海之、木村は恐れながらも退き下がらない。
「歴戦の勇士でもあのザマだったんだ。そりゃあ記憶喪失騎士じゃ話にならんだろうしなぁ」
「…俺たちがなんだって?」
「記憶喪失…?」
「何の話だ…!?」
「…?」
三者三様ならぬ四者四様の反応。
「気にしなくていい…。これで、終幕だ。」
『ーReturn Ventー』
発動したのは“力の再発動”。
再び現れた白鳥が生み出す風塵は。
目の前の4人を吹き飛ばし、彼方へと…。
壁をも砕き、彼方へと消えた。
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「…ってて」
起き上がるとそこは立体パーキングだった。
打ちどころは軽かったらしく、皆起き上がれるみたいだ。
「…全く滅茶苦茶な女だな」
コレは蓮の言葉。
「…とりあえず追ってこないみたいだな」
木村も何処か気を弛めた様子。
「…とりあえず今の俺達に死相は見えない。俺の占いは、当たる」
「にしても…俺達が記憶喪失とは、どういうことだ?」
「…知るか」
木村の問いに蓮は素っ気ない回答。
「なんだよ素っ気ないな」
「元々そういう気質らしい、気にするな。」
手塚も苦笑しながら木村を宥める。
そんな風景を、城戸真司は微笑ましく見ていた。
微笑ましい風景は。
太刀音に掻き消された。
「「「「!!!」」」」
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