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「改めまして、ソフィアと申します。以後お見知りおきを」
「こ、こちらこそ、よ、よろしくお願いします」
「ふふ、相変わらず、カナデさんは素直でよい方ですね。そういえば、エリザベス様、公務の方はよろしいのですか?」
「うむ、そうだったな。カナデが目覚めたので、つい話し込んでしまった。では、われは一度公務に戻るが、カナデはまだ休んでいた方がいい。ソフィア、来てもらってすぐで悪いが、一緒に来てくれるか」
「もちろんです」
では、と二人はあわただしくカナデのいる部屋から出て行った。
『二人に置いていかれて寂しいか?』
『人間とは面白いな』
女神と悪魔が話しかけてくるが、カナデは別のことで頭がいっぱいで、彼女たちの言葉を聞いていなかった。
「ソフィアもエリザベス様もいる。そして、私のことを覚えているということは、あの約束も……」
『おい、きいているの』
「バチン」
カナデは気合を入れるために、自らの頬を叩いた。彼女たちとした約束を果たすときがきた。そうと分かれば、すぐにでも行動に移す必要がある。
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