2この世界での自分の役割を理解しました

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2この世界での自分の役割を理解しました

「どうしたのだ、カナデ。何やら騒いでいたようだが」  カナデの声を聞いた護衛騎士の連絡により、カナデがいる部屋に再びエリザベスとソフィアがやってきた。 「ああ、すいません。つい、自分がこの世界にいる意味というか、この世界で私のやるべきこと、目標を再認識して、叫んでしまいました」 「そ、そうか。身体の調子とか、精神の病かと心配したが、大丈夫そうだな。それで、目標とはいったい何なのだ?」  カナデはいまだに興奮状態だった。鼻息荒く、ソフィアたちに叫んだ理由を話し出す。その様子に二人は引いた様子だった。エリザベスが質問すると、カナデは待ってましたとばかりに回答する。 「よくぞ聞いてくれました。お二人は、私とした約束を覚えていますか。ほら、出会って間もなくした約束ですよ!この世界の女性の意識改革をしようっていうあれです!」 『ああ』  二人はその時の様子を思い出して、苦笑する。女神から記憶を奪われたエリザベスだが、魔王と勇者に関してのみを奪われただけなので、カナデとの約束は覚えていた。ソフィアに関しては、女神は記憶を操作していないので、こちらも当然覚えていた。 「ああって、何ですか。あの約束はその程度だったんですか?私は違います。この世界に来た私の役割はそれだと思います!そのために、残りの私の人生を費やす覚悟で挑みます!」 『あははははははははは!』 「どうした、ホワイトにブラック。お腹でも壊したか?」  カナデの言葉に返す言葉が見つからない二人に対して、女神たちの笑い声がカナデの頭に響き渡る。エリザベスは、突然にゃーにゃーとお腹を見せて転がり始めた二匹の猫に戸惑っていた。  部屋にはカオスな空間が生まれていた。
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