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「あ、あの。私たちは任務に戻ってもよろしいでしょうか」
そのカオスな空間を壊してくれたのは、カナデの叫びを聞いて客間に真っ先に飛び込んだ騎士だった。しかし、その騎士の服装を見たカナデの叫びによって、その場は再びカオスな空間に逆戻りした。
「ここからかあああああああ!」
騎士の性別は女性だった。女性騎士である彼女の服装は、カナデには目に毒だった。女性騎士と言えば、魔王討伐のために作られたパーティにいた女性騎士のイザベラも、破廉恥な格好をしていたが、彼女の場合は、そこまでの露出はなかったが。
「なんで、そんなに胸がきつそうなシャツを着ているのか聞いてもいいですか。それと、足下はなぜ、ミニスカなのかということも」
彼女の服装は、二次元的には女性騎士の制服そのものだった。カナデも、ライトノベルなどの創作物で、彼女のような女性騎士を何度も見かけたことがある。しかし、見かけたからと言って、それを認めるほど、カナデは女性として落ちぶれてはいなかった。
叫んだと思ったら、今度は真顔で質問された女性騎士は、どう対応したらいいのか、きょろきょろと視線をさまよわせながら考える。そして、エリザベスたちに視線が合うと、助けを求めて口をパクパクして訴える。二人はそっと首を横に振り、助けることはできないから、自分で考えろと目で指示を出す。
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