永遠のはじまり

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永遠のはじまり

 とある世界。強大な力でこの世界の全てを支配しようとする帝国。それを阻止する為に、各国は連合を組み立ち向かう。  長い戦いが繰り広げられる中、連合の中心的役割を果たしていたアイヴィー王国の国王、王妃と三人の王子が、帝国の犠牲となる。しかし、アイヴィー家には、まだ王女が一人残っていた。  残された王女の名は、メロディア。  銀色の長い髪と、ブルーの瞳、美しい容姿を持った王女。だが王女は若干十六歳にして、まだ表舞台に立ったことがない。そんな王女を、代々王に仕え忠誠を誓う有能な高官たちが支え、アイヴィー王国は存続することとなる。しかしながら、中心となっていた国王が倒れたことで、連合各国にこの先の戦いに対する不安が広がり始める。  そんな中、一人の勇者が立ち上がる。勇者は王女を支え、連合各国を鼓舞し、再度帝国に立ち向かう。そして、約三年の攻防の末、勇者に支えられた王女は、連合各国と共に帝国に攻め入り、遂に帝国を倒す。  長きに渡る戦乱は終結し、この世界に再び平和が訪れた。  王女メロディアと共に帝国と戦い、勝利へと導いた勇者。戦乱の中で共に支え合った若い二人が恋に落ちたのは、ごく自然の流れであった。  勇者は誰もが認める英雄となり、王国の中でも特別の地位を与えられた。そして国民の誰もが、王女メロディアと結ばれ、この王国を統治することを望んだ。  同年、王女メロディアと英雄の婚姻の儀が執り行われる。婚姻の儀とそれを祝福する祭典は数日に渡り催された。王国の民、共に戦った連合各国が祝福する中、英雄はこの国の王となった。幸せの絶頂にいた王妃メロディアと王となった英雄の二人。二人は、世界の平和と永遠の愛を誓いあう。  しかし、婚姻の儀を終えた数日後、一人の不審な人物が王国に現れる。
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