夕暮れるうた

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夕暮れるうた

ビルの頭を繋ぎ合わせて、弓形のラインを描く。 空のグラデーションは不均等で、出来事たちが絡み合う。 頬なでる風はさざめいて、舗道蹴る足元はやや軽い。 やあ。 グラデーションが変化する。 やあやあ。 だんだん近くなる。 出来事が薄く伸びていき、藍色の帯が深くなる。 ボロボロになった今日の鎧、空気を含んでやや膨張。 やあやあ、や。 脱ぐのはもうじき。 駅の雑踏に紛れると、私も騒々しい何かのひとつ。 甘酸っぱい匂いに惹かれては、恋しげに誰かを探してみる。 袖くぐる風は生温く、警笛のプァーが冴えわたる。 やあ。 グラデーションは変化した。 やあやあ。 だんだんこみ上げてくる。 出来事はひと筆さえも見あたらず、頭上いっぱいが群青のベタ。 擦り切れた今日の鎧、旋風に乗って舞い上がる。 やあやあやあ。 脱ぐのは、もうじき。
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