Prologue

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Prologue

 聞き慣れてしまったニュースが右から左へと流れていく。  始めこそ恐怖と混沌に陥った世界も、今ではこれも日常の一部として共生している。ほとんどの人間は自分には関係ない話だと、このゲームの事を気に止めもしない。  私も、その一員だった。 「本日のプレイヤー状況をお伝えします。参加プレイヤーは前日に比べ1561人の増加、現在のアクティブユーザー数は36万708人とのことです。」  何故、遊戯の話が白昼堂々ニュースで報道されているのか。  それは簡単な話だった。  このゲームがプレイヤーを殺す”死のゲーム”であるから。ある日突然これに巻き込まれた人間は、ゲームをクリアするまで死の恐怖と隣り合わせで生きていかなくてはならない。  ゲームオーバーになって死ぬか、ゲームをクリアして死のゲームから解放されるか。  どちらかの運命をたどるまで、このゲームは、『Midnight』は、プレイヤーと運命を共にする。 「本日の脱落者は127人となり、脱落者はついに1万人を突破しました。プレイヤーの皆様は安全に細心の注意を払い、本日のノルマを終えるよう──」  こんな報道が始まったのは数ヵ月前の事だったと思う。 SNSを中心に「Midnight」と言う名のゲームの存在が目立つようになり、プレイを始めた人々が揃いも揃って日の入りと共に姿を消して、朝の光と共に姿を現す。  偶然にしては不可解な怪奇現象として、話は広がっていった。  このゲームにの謎は一寸先も見えない闇同然。いったい誰が、何の為に、どうやって作り上げたのか。何一つとして分かってはいない。  ただ唯一分かっているのは、ゲームオーバーになればが死ぬ。  それだけだった。
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