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牛若丸に敗れた弁慶は、スキップしながら家路に急いだ。
「ただいまぁ!」
「あら?どうしたの?随分早いじゃない?」
奥さんが首を傾げる。
「喜べ!職が決まったぞ!」
「え?どういう事?」
奥さんは更に訳が分からなかった。
弁慶は牛若丸との経緯を話した。
「…と言う訳で牛若丸さんの家来になる事になった」
「そんな若い人の下で大丈夫なの?」
奥さんは心配そうに顔を曇らせた。
「大丈夫だよ
牛若丸さんはまだ若いがあの源様の若様だ」
「まぁ、それは凄いお人なのね」
奥さんはホッとした顔をした。
「けど、残念ね…
後一本で揃ったんでしょ」
「ちゃんと手に入れたさ」
弁慶は小刀を奥さんに見せた。
家来になった証しとして牛若丸から貰った物だ。
「刀も仕事も貰えて、正に一挙両得だ!」
弁慶は、がははっと豪快に笑った。
end
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