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桃太郎とアリスが去り、取り残された形になったランプの魔神は途方に暮れた。
「え~と、我はどうすれば…」
呼び出した本人はランプを放置したままいなくなり、ただ波音だけが空しく響く。
魔法が使えると言っても、ランプから遠く離れる事が出来ない。
魔神にとってランプは生活の場であり、世界その物と言っても過言ではない。
本来ならば外に出る事はないのだから…。
「誰もいなし、このまま波に任せるしかないか…
とりあえずランプに戻ろう…」
魔神はランプに戻ると、その中は果てしなく広い。
ランプの中の世界は魔神が治める国家の様なものだった。
魔神の城を中心に町があり住民もいる。
「おや?魔神様、お早いお帰りで…」
城に戻ると執事がすぐにやって来る。
「まぁ、こんな時もある…
次は、しばらく呼ばれないかも知れないな」
ランプは波に拐われ何処へともなく流れていった。
新しいご主人様に拾われるその日まで…。
end
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