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赤ずきんのおばあさんは、赤ずきんが来ると思って朝からたくさんの料理を作っていた。
「たくさん食べてくれると嬉しいわね」
しかし、赤ずきんはやって来なかった。
「赤ずきんは、どうしたのかしらねぇ?」
コン…コン…
ドアをノックする音がする。
おばあさんがドアを開けると、そこには腹を空かした狼が大きな口を開けていた。
「やっと来たのね」
おばあさんは、狼の赤い口と赤ずきんとを間違えて狼を招き入れた。
「さぁ、たくさん食べてね」
おばあさんは大量の料理を狼の前に並べた。
(ばあさんボケてるのか?
なら、料理を食べてからゆっくり頂くか…)
狼は喜んで料理を食べ始めた。
「これは美味い!」
狼は出てくる料理を次々と平らげていった。
「もう…食えない…」
狼はパンパンに膨れた腹を擦って横になった。
「ふぁあ…腹一杯になったら眠くなった…」
狼はそのまま寝てしまった。
しばらくすると、おばあさんが寝ている狼を見つけた。
「あら?猟師さんが置いていってくれたのかしらね?」
おばあさんは狼を台所まで引き摺って、綺麗に捌いてしまった。
end
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