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ある浜辺で…
昔昔、あるところに桃太郎がやって来ました。
「どこだ?ここは?
お供の三匹もどっか行っちまうし…」
一人で浜辺を歩いていた。
「あの~、あなたお侍さんですか?」
後ろから声を掛けられ振り向くと、金髪の女の子が立っていた。
「出たな!…ん?…小鬼?」
「小鬼!?
こんな可愛い女の子に鬼ってどういう事よっ!
私にはアリスって名前があるの!」
アリスに捲し立てられ、桃太郎は少し怯んだ。
「…いや、突然後ろからだったんで、てっきり鬼かと思ってね…
それより、こんな所に女の子が一人で何してんだ?」
桃太郎はしゃがんで目線を合わせた。
「ウサギさんを追い掛けて来たの…
お侍さん、見なかった?」
「俺は桃太郎だ
ウサギなんて見なかったぜ
…俺も犬と猿と雉とはぐれちまったんだ」
二人はとぼとぼと浜辺を歩き始めた。
しばらく歩いていると子供達が集まっていた。
「何してるんだ?」
桃太郎が聞くと、子供達が「これ」と指差した。
「亀…じゃないのか?」
「これは魔法のランプよ!
初めて見た!」
アリスが驚いた様に駆け寄った。
「魔法の?ランプ?
…何だそれ?」
桃太郎は首を傾げる。
「これを綺麗に磨くと、ランプの魔神が現れて、何でも願いを叶えてくれるのよ」
アリスは早速ランプを磨き出した。
「呼ばれて飛び出て…(自主規制)」
「なっ!?」
出てきた魔神に桃太郎は腰を抜かした。
「さあ、願いを言え!」
「こいつ、随分と偉そうだな…」
「それくらい我慢して…
ねぇ、私達を元の世界に戻してくれる?」
アリスはさっさと願いを言った。
「パパラパ~!」
桃太郎とアリスは元の世界に戻りました。
めでたし、めでたし。
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