チャールズ

9/9
前へ
/9ページ
次へ
 僕は横になり目を閉じた。お札の三人の声が、丁度良いBGMとなって眠りを誘う。時折、思わず口元が緩みながら、いつの間にか僕は寝静まっていた。  翌朝、久しぶりに目覚めが良い。気分もどこかスッキリしている。  お札の三人は、いつものお札に戻っていた。ただ、銅貨はまだ残っている。家を出る支度をしながら、ダンボールの上に置いたお札と床に転がっている硬貨を財布に入れていく。  そういえば、昨日は久しぶりに笑った。  今日は、なんだか上手く行く気がする。僕は一度大きく息を吐き、銅貨に描かれた肖像画のように笑いながら家を出た。 A day without laughter is a day wasted. 無駄な1日、それは笑いのない日である Charles Chaplin チャールズ チャップリン
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加