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──そうだと思いましたよ。でも、資質はありそうだ。今日はある程度……そうだなあと一時間ほど、時間は空いていますか?
「はい」
──ではそのまま待っていてください、その間に、オフィスの秋山から説明もありますから。
よろしくね、とその秋山さんが微笑んだ。
「やっぱり、映画の『愛の嵐』からですか?」
マックスの名前? そうよ、と秋山さん。
「たぶんあなたはマックスに好意を持たれたわ、仕事まで放りだしてここへ面接の子を見にくるなんて滅多にないもの。まず、マックスは金髪にしてくれって言うわ」
──金髪なら大丈夫です。
マクシミリアンと呼ばれる、おそらくはこのお店の重要人物が来るまでわたしは秋山さんから、ドミナについて、ではなく、あくまでも「マックス専属のドミナ」であることを教えられた。もちろん、Hそのものはなし。
マックスの要求は、ドミナに拝跪して、言葉と鞭で責められるだけ。そして仕事はちょっと歩けばすぐ着くカップルズホテルで行うこと。などなど。もちろんラバースーツはマクシミリアンさんの偏愛対象。
それほど待たずに、マックスさんがお店のオフィスにやって来た。
オーダーメイドであろう、やっぱり高級そうなスーツやネクタイ。
「お金には困っていないようにお見受けしますが」とマックスさん。
──それが、こんなお洋服ばかり買っているからお金がないんです。普通のラバースーツもラバーメイド服にも惹かれます。
その発想は気に入りました、たしかにラバーのメイド服もありますね、とマックスさんが頷いた。
「メイド服ふうのランジェリーがありますよね。ああいう感じで露出は当然上がってしまいますが、セパレートのラバーにふりふりがたくさんついたタイプは如何でしょうか」
マックスは唸った。
秋山さんもそれはいいわねえ、と言い、
「でも**さん、そういうラバーのメイド服はないみたいよ」
即座にパソコンで調べてくれる。
「知り合いのデザイナーさんならすぐできます。具体的なデザイン画描けますか?」と、マックスさん。
──下手な絵でも大丈夫なら可能です。
「では画像をスキャンしてお店にメール添付でお願いします、それと」
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