管理実験

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「なあ、俺たちで奏斗を止められないかな?」  颯斗はいつ切り出そうかと悩んでいたことをついに言った。不満を並べていても駄目だ。社会はどんどん窮屈になっていく。 「お前。そのリスクは解っているのか?」  同じような考えはあっても尊は慎重だ。じっと颯斗を見つめて問い掛かる。 「だってさ。このままだと大学に行って五年後には社会人。大学院に行けば別だけど、社会人になれば奏斗の監視が強くなるのは確実だろ?さっき尊が言っていた国民総活躍法。これの適用範囲は労働可能な国民を対象としているんだぜ。今は高校までが義務教育だから、十八以上が対象。まあ、老人まで含んでいるから終わりがなくてどうなんだってところだけどさ。今のうちに手を打たないと、将来は強制労働ってこともあり得る」  颯斗はちゃんと考えていると寝転んだまま考えを述べた。どことなく楽天的な性格なので仕方がない。 「まあな。俺は大学院に進むつもりだから余計に深刻な問題もある。それは理系の博士号取得者を政府がかき集めているってことだ。何をやらされるか解ったものではない。俺は理系として、これは見過ごせない問題だ」
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