秘めた想いは誰のもの?

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「俺のせいじゃねぇだろ。花言葉は恋をするには若すぎる、だぞ?だろ」 「私の事をよく知らないから、彼女には私が年上好きに見えたんだろ」 「正体隠しやがって……。本当は俺や自分の両親より年上だって言ってこいよ」 「レディの初恋は汚すものじゃない。ところで、私に贈られたデンドロビウムの花言葉だが。これはわがままな美人という花言葉で……」  優雅に紅茶を飲んで話をはぐらかす少年に、獣人は踵を返して畑に向かった。 「要するに、自分選ばないお前はわがままだって事だろ?もう花言葉はいい」 「まだ途中なのに、せっかちだな」  遠ざかる背中に投げ掛けた言葉はそのまま相手に届く事なく、風に拐われた。仕方ないなと笑みを浮かべ、自分に贈られたピンク色の花を少年は愛しげに見つめた。 「デンドロビウム全般の花言葉はわがままな美人だが、これはデンファレという種類のもので、別の花言葉があるんだがな。彼女は皮肉で贈ったのかもしれないが……彼がどんな顔をするのか見たかったな」  デンファレの花言葉は、『お似合いの二人』。  その花を、少年はしばらく嬉しそうに眺めた。            end.
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