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FAIRIES~Holynight Prelude~Ⅳ
ルーシィはすっかり眠ってしまいました。
「ルーシィ、ルーシィ」
誰かが名前を呼んでいます。
ルーシィは目を開けると驚きました。
あのへんてこな妖精がいたのです。
「妖精さん、どこに行っていたの?」
「秘密だよ。それよりルーシィ、早く起きて」
妖精がそう言うので起き上がると、
もっともっと驚きました。
自分のお部屋で眠っていた筈なのに、
そこは広くて綺麗で豪華な可愛いお部屋でした。
「妖精さん、ここはどこ?」
「君のお部屋だよ」
「違うわ、知らない場所よ」
ルーシィは目をぱちくりしてしまいました。
「願い事をしただろう?」
思い出しました。
お空に届けたお願い事、
「素敵な部屋だろう」
「ええ、とっても可愛いわ」
喜ぶルーシィを見て妖精はとても幸せそうに笑いました。
もっと喜ばせたいと思いました。
「ルーシィ、舞踏会へ行こうか」
「でもドレスが無いわ」
「そこのクローゼットを開けてごらん」
妖精が言う通りに大きなクローゼットの扉を開けたら、
そこには色とりどりのドレスがたくさん並んでいました。
「素敵」
「好きなものを選んでいいよ」
ルーシィはすぐに決めました。
スカートがふわふわしている真っ赤なチュールドレス。
「これがいいわ」
「うん、さっそく着てみて」
「じゃあ妖精さんは隠れてて」
妖精は白くて大きなソファの後ろに隠れました。
「もういいかい?」
「まだよ」
妖精は大人しく待つ事にしました。
「いいわよ妖精さん」
妖精がゆっくりルーシィを見に出ると、
まるでルーシィがキラキラ輝いているようでした。
「とっても綺麗だよ、ルーシィ」
「ありがとう妖精さん」
「まるで薔薇のようだ」
ルーシィはスカートをふわふわさせて笑っていました。
「ずっと夢だったの、薔薇のように綺麗なドレスが着たいって」
「知っていたさ、これ全部、君にクリスマスプレゼントだよ」
「どうして知っていたの?」
「僕は心の美しい子から生まれる妖精なんだ」
ルーシィには妖精の言ってる事が分かりません。
「僕を生んでくれたお礼だよ」
妖精が言ってる事はちっとも分かりませんでしたが、
素敵なたくさんのプレゼントを貰ったのがルーシィは嬉しくて堪りませんでした。
「メリークリスマス、ルーシィ」
「メリークリスマス、妖精さん」
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