FAIRIES~Holynight Prelude~Ⅳ

1/1
前へ
/6ページ
次へ

FAIRIES~Holynight Prelude~Ⅳ

ルーシィはすっかり眠ってしまいました。 「ルーシィ、ルーシィ」 誰かが名前を呼んでいます。 ルーシィは目を開けると驚きました。 あのへんてこな妖精がいたのです。 「妖精さん、どこに行っていたの?」 「秘密だよ。それよりルーシィ、早く起きて」 妖精がそう言うので起き上がると、 もっともっと驚きました。 自分のお部屋で眠っていた筈なのに、 そこは広くて綺麗で豪華な可愛いお部屋でした。 「妖精さん、ここはどこ?」 「君のお部屋だよ」 「違うわ、知らない場所よ」 ルーシィは目をぱちくりしてしまいました。 「願い事をしただろう?」 思い出しました。 お空に届けたお願い事、 「素敵な部屋だろう」 「ええ、とっても可愛いわ」 喜ぶルーシィを見て妖精はとても幸せそうに笑いました。 もっと喜ばせたいと思いました。 「ルーシィ、舞踏会へ行こうか」 「でもドレスが無いわ」 「そこのクローゼットを開けてごらん」 妖精が言う通りに大きなクローゼットの扉を開けたら、 そこには色とりどりのドレスがたくさん並んでいました。 「素敵」 「好きなものを選んでいいよ」 ルーシィはすぐに決めました。 スカートがふわふわしている真っ赤なチュールドレス。 「これがいいわ」 「うん、さっそく着てみて」 「じゃあ妖精さんは隠れてて」 妖精は白くて大きなソファの後ろに隠れました。 「もういいかい?」 「まだよ」 妖精は大人しく待つ事にしました。 「いいわよ妖精さん」 妖精がゆっくりルーシィを見に出ると、 まるでルーシィがキラキラ輝いているようでした。 「とっても綺麗だよ、ルーシィ」 「ありがとう妖精さん」 「まるで薔薇のようだ」 ルーシィはスカートをふわふわさせて笑っていました。 「ずっと夢だったの、薔薇のように綺麗なドレスが着たいって」 「知っていたさ、これ全部、君にクリスマスプレゼントだよ」 「どうして知っていたの?」 「僕は心の美しい子から生まれる妖精なんだ」 ルーシィには妖精の言ってる事が分かりません。 「僕を生んでくれたお礼だよ」 妖精が言ってる事はちっとも分かりませんでしたが、 素敵なたくさんのプレゼントを貰ったのがルーシィは嬉しくて堪りませんでした。 「メリークリスマス、ルーシィ」 「メリークリスマス、妖精さん」
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加