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FAIRIES~Holynight Prelude~Ⅰ
雪が舞い散るとある日、
少女は白き空へ願いました。
「一度でいいの、
薔薇のように綺麗なドレスが着たいわ」
少女は貧しく、
満腹になった事も一度だってありません。
しかし、少女は誰より美しく在りました。
「やあ、マドモアゼル
僕は魔法の妖精さ」
へんてこな服の妖精は突然現れました。
「魔法の妖精さん?本当に?」
「ああ、本当さ」
「でも一つだけ違うわ、私は"マドモアゼル"なんて名前じゃないもの」
「ならば、君の名前を教えて」
「私はルーシィよ」
「ルーシィ、僕は君の願いを叶える為に生まれたんだ」
少女、ルーシィは首を傾げました。
私はママのお腹から産まれたの、
ママがよく言っているわ。
でも妖精さんは私のお腹から産まれてはいないじゃない。
「へんてこりんのぽんぽこりん」
まるでそうでした。
「ルーシィ、明日は何の日?」
「知らないの?明日はクリスマスよ」
「知っていたさ、もちろんね」
へんてこで小さな妖精は空を指差しました。
「心の中で願い事を言ってごらん」
「お空に?」
「そうさ」
ルーシィは両手を強く握って目を閉じました。
お願い事をお空へ届ける為に。
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