第1話「クラス替え」

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「…ってなわけでホント散々な1日だったよ…。」 放課後の美術室で悠斗は慎太郎と今日の出来事を交換した。そろそろ新入生に見せる為の作品を作らないといけないのだが、色々ありすぎてそれどころではない。 「初日でお前の秘密バレちゃったな」 慎太郎が笑う。 「そうなんだよ!もー、絶対明日からいじられる!」 「でも、安心した」 「えっ?何で?」 「何だかんだ楽しそうじゃん。悠斗」 …確かにそうだ。今日1日大変だったし、恥ずかしい思いもしたけれど、楽しかった。 「そうだね、楽しかったかも」 「明日から授業も始まるしさ、お互い楽しんでこうぜ!」 「うん!」 昨日は2-Aになった事を最悪だと思っていた。まだまだ、不安な事はたくさんあるけれど今日はもう最悪だと思っていない。むしろ これからの1年間がグッと楽しみになった。 『明日も、頑張ろう!』 美術室の窓から見える夕日を眺めながら、悠斗は1人気合いを入れたのだった。
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