5人が本棚に入れています
本棚に追加
秋 ~儚い恋、短い愛~
私は想いを試されている。
私は今、涼風に吹かれながら、枯れた朝顔を見ている。
想い人である彼女と一緒に。
彼女がプリーツスカートを広げ、プランターの前にしゃがみこんだ。
「朝顔、青くて綺麗だったね」
もう抜くね、と彼女が乾いた蔓を握る。
私はこわばった声で止めた。
「蔓と種は残そう。……蔓でクリスマスリース作れるから」
「璃々子、物知り」
彼女がほほえんだ。
物知り?
青い朝顔の花言葉を私に教えたのは、あなたの癖に。
*青い朝顔の花言葉……儚い恋、短い愛
最初のコメントを投稿しよう!