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「…で?昼休みにわざわざ教室まで呼びに来るなんて…何です?」
その聞こえてきた声は間違えようもない、眞司の声だった。
「だって眞司ってば、いつ誘っても忙しいって言って来てくれないじゃない」
相手の声は…誰だか分からない、甘えた声が聞こえた。
「そりゃ、生徒会室へは俺みたいな一般の生徒は敷居が高くて入れませんからね…それに、俺も色々と忙しくて…」
「知ってる。だから、今回はボクが直接、キミのクラスへ行って、キミを呼び出したんだよ?」
「……それはそれは…で?俺に何の用です?」
「ふふ…やだな。分かってるくせに…今日こそ色よい返事を聞かせてもらおうと思ってね…その為にボクが直接クラスまで、わざわざ眞司を呼びに行ったんだからさ」
「…何の事です?」
「またまた~。聞いているよ?キミの噂…来る者、拒まず…だろ?女は勿論…男もね…」
「…噂…ねぇ…」
「…ボクと関係しておいて損はないんじゃないかなあ?」
「…その噂、正確じゃありませんね。俺は確かに誰でも来る者拒みませんけど、同じ学校の人間には手を出さない事にしているんです。何かと煩わしいし、揉めたりすると後が面倒ですしね」
「大丈夫。ボクは眞司を束縛しようなんて思ってないから。ボクも自由にするし…ただ、ボクが呼んだら他の誰よりもボクを優先してくれないと駄目だけどね…それだけ守ってくれたら…後はキミの好きにしたらいいからさ…どう?悪い話じゃないでしょ?」
「………それだけって…それだけでも充分すぎる程、都合がいい話だと思いますけどね…しかし、生徒会長がこんな人間だと皆が知ったら吃驚するでしょうね…いいんですか?」
(…えっ、生徒会長!?)
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