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「…ふふ…大丈夫だよ。この事は生徒会の役員しか知らないから…それとキミね」
生徒会長の楽しそうな声。
「ああ…生徒会の役員の皆さんは熱烈な会長の信奉者でしたね」
「…よく知っているじゃない…そうだよ、彼等でさえ、ボクから声をかけられるのを涎を垂らしながら待っているんだから…キミは特別って事で…」
「…それは、光栄ですね…でも、生徒会の皆さんに目をつけられるのはご免ですから…それに、俺、指図されるの、好きじゃないんで遠慮します」
「…何、言ってんの?…大丈夫。後悔はさせないから…なんなら試してみる?」
あっさりと断った眞司に対して吃驚したような会長の声の後に、濡れた音と衣擦れの音。
「………今、ここで?」
「いいじゃない…今、ここには誰も居ないし…この後も誰も来ないよ…たとえいたとしても、この中には入って来られないから大丈夫」
「…なるほど…生徒会の役員を見張りにするなんて…さすが会長ですね」
「ふふ…そうでしょ」
衣擦れの音とクスクス笑い。
…僕は出て行く機会を完全に逸してしまった…。
だが、すぐに。
「…ちょっと待った。会長、あんた、まさか、俺を抱くつもりですか?」
珍しく、眞司の焦った声が聞こえる。
「うん、勿論…だって、ボクが抱かれるなんてあり得ないでしょ…それに…キミ、以外と抱かれる方が似合ってそうだし…」
「止めて下さい。趣味悪い…そういう事なら、この話はなかった事に…」
「どうして?ボク、こう見えて上手いよ?絶対、気持ちよくしてあげるから…それに気になるんだ…抱かれたキミがどんな風に乱れるのか…」
「…残念ながら、俺は誰にも抱かれるつもりはないんです。それが、会長でもね…それに………」
ダンッと何かが倒れる音がした。
「抱かれる方が似合っているのは俺より会長の方だと思いますけどね、試してみます?」
「…馬鹿な…止せ…っ…手を離せ…こんな事をしてただで済むと……っ!!」
パンッ!!
少し焦ったような、上擦った会長の声に続いて乾いた音。
「…………………………っ!!」
「…すいませんね。痛かったですか?断っておきますが、俺、女性には優しいですけど男性には手加減しませんから。大人しくしておいた方が身のためですよ。そうすれば………優しくしてあげます」
……………………………え、もしかして眞司、生徒会長を引っ叩いちゃったの?
(………嘘でしょ……)
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