第1場 真夏の戦

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 スマホから目を離し、夏休みで賑わう家族や汗を拭うサラリーマンたちを眺めつつ暫し待つ。 「おまた」  駅のホームから手を振ってこちらに向かって来た不審者もとい待ち人が来た。 「遅い」 「船坂が早すぎるだけだ」 「サバゲー中毒者舐めんな。じゃ、行くか」  軽く会話をして、ちょうど見えたフィールドの送迎バスに乗り込んだ。 「ところでお前、夏休み入って髪切った?」 右横に座った待ち人、島田に言われ思い返すもここ2ヶ月切ってないことに気づいた。 「そんなに変か?」 「諸星あたるみたいになってるぞ」 「いや、例え! 確かにそうだが古い!」  終始島田に髪の毛について弄られてフィールドに着いた。  既に何人かが来ており、シューティングレンジでサイトのゼロイン(照準調整)をしている人がちらほらいる。  俺は場所を取るやいそいそと着替え、お気に入りのドイツ陸軍の軍服に着替えると山岳帽を被り、BB弾とBBローダー(給弾道具)、シューティンググラスを掴むとその足でレンジに向かった。
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