詩集

ラブソング

人並みで溢れた駅前の交差点
無造作に貼られた映画のポスター
二人で決めたいつもの待ち合わせ場所

先に着いた僕が君を待つのもいつものこと
時計の針のもどかしさ
いつまでたってもなれないや
人並みのなか　見慣れた顔を探すけれど
ほんの数秒　見知らぬ人が通りすぎるだけ

頭のうえ流れるラブソング口ずさみながら
抱えた荷物と　思い浮かべる君の笑顔
慌てないで　転ばぬように　早くおいで

いつも欲しがってたピンクのテディベア
いつか買ってね　なんてイタズラっぽく笑う
君のその横顔がいつになく可愛くて　ただ愛しくて

聞こえてきたいつものメロディー
もうじき聞こえてくるいつもの足音
あせらないで　ころばぬように
ほら　あわてないで　早くおいでよ