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課長と結婚……。
もう招待状も出したし、式も一週間後に迫ってるけど。
いまだに信じられないな。
なんというか……
課長の態度が相変わらずなので。
などと思いながら、未結は各務のデスクの横に立っていた。
仕事の話でそこにいるとは言え、夫となる人の側にいるのに、職員室に呼び出されたときのような緊張感だ。
「坂本」
「はい」
「これ、ちゃんと読み直したのか?
誤字があるぞ」
と未結が刷り出した書類を手に、各務は未結の方を見もせずに言ってくる。
「す、すみません」
みんな、
「でも、家だと態度違うんでしょ?」
なんて笑って言ってくるけど。
いやいや、なにも違わないんですよ、実際。
「各務くんは公私の区別がつけられて立派だねえ」
とか、課長は部長たちに言われてるみたいだけど。
この人、『私』でもこの状態なんですよっ!?
と未結はそんな話を聞くたび、心の中で絶叫していた。
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