第2章 欲しかった答え

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「はぁー? OKしなかったの?」 「うん。わたしの返事を待ってくれるって」  教室に戻ると莉子が待っていた。他の生徒はもう下校したようで、そこには莉子しかいなかった。 「なんでよー? 奥浦先輩、カッコよかったでしょ?」  わたしの背中をバンバンと叩きながら、莉子が言う。 「……そうなのかな? よく顔、見れなかったからわかんない」  莉子が大きなため息をつく。 「サッカーも上手いんだよ? 試合の日なんか三年生の女子が、奥浦先輩に渡すお弁当持って応援に来たりするんだから」 「そんなにすごいひとなの?」 「すごいひとだよ! 優しいし、仲間や後輩たちからも頼られてるし、完璧じゃん!」 「でもわたし……あのひとのこと、知らないもの」 「だけど先輩は美桜のこと見てたんでしょ? ずっと美桜のこと気にしてたんだよ? これってすごいことだと思わない? 運命だよ!」  運命……か。  わたしはぼんやりと、尊くんのことを考える。  わたしがあの病院で尊くんと出会えたのも、運命だと思っていた。
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