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幸津(さいつ)、これどうする」 俺のデスクにファイルをヒラヒラさせて寄って来たのは、同期で営業の斉田(さいだ)だ。 「どのヤツだ」 案件が多くて、どの件か分からない。 「小林の分、来週には当たりつけないとヤバイ」 「小林か…後3日くれ、金曜日には準備する。その前に笹田の件、早く決めてくれ」 「アア、笹田か。せっついてるけど、なかなかで」 「急に言われても無理だからな」 「分かってるって、なんとかする」 「頼むぞ」 「へ〜」 気の抜けた返事をしながら、肩を回しながら部屋を出て行った。
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