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居酒屋を出て、少し先の川沿いの桜並木を2人で歩く。
桜は満開を超え、最後の艶姿を魅せるように花びらを散らし舞う。
「綺麗だけど、何でか切ないな」
俺の口からそんな言葉が呟きとなって出た。
その言葉を拾うように、アイツは頷いて俺を見る。
「何…?」
「お前、俺のことが好きなのか」
いきなりの爆弾に、心臓が痛む。
「どうしてそう思うんだ」
必死に動揺を隠して問う。
「さあ、何でかな」
アイツは全く変わらない表情で桜から俺へ視線を向けた。
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