序章/ある見逃せない前日譚ーヒールズ・リンチ事件の真相ー

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ヒールズリンチ事件の真相/その6 南部 「南部!門前仲通りのゲーム喫茶、想定通りになったぞ!すぐZに行ってくれ」 「そうか!連中、とうとう尻尾を出したな。で、”先方さん”、は何名様なんだ?」 「最初は3人だったそうだが、オレが連絡受けた時点では5人ってことだ。フン、全部、在○野郎らしいや。ヤツらべったりツルんでるから、まだうじゃうじゃ増えるかもしれん。こっちはすでに3人店に向かってるはずだが、砂さんにはこれから声かけて、集まるだけ集めて駆けつけるから…」 「わかった。じゃあ、先に行ってる」 オレは門前仲通りのゲーム喫茶”Z”へとバイクを飛ばした アイツら…! 黒原さんの顔に泥を塗りやがって… 根性を叩き直してやる! 真冬の寒風に身を晒し、オレの体は冷え切っていたが、頭はカッカと熱くたぎっていたよ ... あれは2週間前だった… 「聖一、在○連中、Zのタカリ側に付いたらしいわ。完全、ケンカ売ってるぜ。こっちも細かい主義主張は後回しでまとまらねーとな。何しろ在○はホントつるみ上手だから、このままじゃ、ヤツらに呑み込まれるって」 「砂垣さん、だからって安易に数を集めることに目が行っちゃうと、いつまでたっても覇権争いのタネが絶えませんよ。ここは在○だの純血だのとか東京だ埼玉だってこだわりを捨てないと。まずは…」 「そんな呑気なこと言ってるから、在○がかたまってこっちにプレッシャーかけてくるんだ。黒原さんという存在があってこそ、オレらガキが気の合う少数グループに分かれてても共存出来たんだ。でもよう、あの人はもういないんだよ、聖一。そこんとこをよく踏まえないと。現実としてな」 砂垣さんの言ってる意味はよくわかるさ あの黒原さんがいなくなったら、今までどおりは無理さ しかし、そんな想定、みんな承知してただろう 今の動きは、それを織込み済んだ上での延長だろうが オレを含めて…
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