序章/ある見逃せない前日譚ーヒールズ・リンチ事件の真相ー

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ヒールズリンチ事件の真相/その12 剣崎 「よし、すぐヒールズに連行しろ!こっちも作業にかかる」 ふふ…、どうやらあっちの店の方は段取り通りらしいな 「親分、能瀬からです。予定通り10人のうち、2人を外してここへ連れてきます。こっちもかかりますか?」 「ああ、下ごしらえはもうやっとけ」 倉橋は無言で頷いた さあ、撲殺人のスイッチが入ったぞ(笑) ... 「…勝田!始めるぞ!」 倉橋はカウンター内から動かずに、その場で2階へ大声を発した ドンドンドン… 間もなく勝田が上に監禁していた男二人の髪の毛を引っ張って降りてきた ドタン! 「オラー、そこでおとなしくしてろ!」 勝田は乱暴に店の奥に二人を放ると、倒れ込んだ後、それぞれ2発ずつ蹴りを入れてるわ 「モゴ、モゴ、モゴ…」 ハハハ… こいつら体は縛られてる上、ガムテープで口をふさがれてるんで、世話なくていいや すでに状況は理解してて、もう目なんか怯え切って命乞いモードだな まあ、殺しはしねーから、安心しな… ... 「勝田、下ごしらえは一人だけだ。顔面中心で行け」 「はい!」 まだカウンター内だった倉橋は煙草を加えながら、事務的に勝田へ作業開始の指示だ およそ10秒間… 勝田は左側の男を選んだようだ すぐにそいつに馬乗りになると、無言で顔面に右こぶしを何度もつき下ろし、仕事にかかっていた 「うごっ、うご、うごっ‥」 男の発するガムテープの下からの絶叫は、4,5M離れた俺が座ってる入り口付近のシートまで届くわ そんで、隣のもう一人は引きつった顔で仲間にクギ付けだな ... 「親分、いいんですね、本当にやって?諸星さんの方は大丈夫なんですよね?」 「ああ、構わん。こってりやってくれていい」 「わかりました。なら、そんで行きます」 フフ…、倉橋が念を押すのも無理はない 一昨日の最終打合せでもちょっと戸惑っていたしな(苦笑)
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