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ヒールズリンチ事件の真相/その13
剣崎
「なるほど…、じゃあ、その愚連隊は指カットですね」
「ああ、定番でいいが、電動でやってくれ。音が出れば演出効果になる」
「ええ、でも…、いいんですか、そのターゲットは星流会の雇いなんですよね。諸星さんと厄介なことになりませんか?」
「いや、今回あの人は概ね流れを読んでると思う。たから、それなりの”人選”でZに送り込んだらしい。フン…、何でも処分対象で囲ってた男2名ってことだ。さしずめ捨て駒だろうさ。言わば、多少こっちが過激に出ることは覚悟しての上じゃねえか。諸星さんもウチの会長とは長い”付き合い”だ。暗黙のキャッチボールは心得てるさ。とは言っても、実際のコトを目の当たりにすれば、想定超えで卒倒するかもしれんが(笑)」
撲殺男は腕組みして、真剣な顔付きでうなずいてたわ(苦笑)
...
「しかしですよ…、じゃあ、今回は何か得るものが他にあるんですかね、あっち側には…。それとも、親筋からの命令ってこととか…」
「おそらくZの件は諸星さんの組み立てだろう。無論、東龍会には承認を取りつけてあるだろうが。…これは相馬会長の見立てだが、諸星さんの狙いはガキの見極めだとな」
「えっ…、それはどういうことですか?」
「黒原盛弘が生存中はよう、諸星さんもあのガキどもには手を突っ込めなかっただろう?なら、彼が死んだ今、諸星さんにとってはガキの市場確立への”人材”発掘のチャンスって訳だ」
「ほー、そういうことですか…」
「フフ…、たぶんオレ達の計画が遂行された後、ガキどもは再編成に向かうだろう。在○だの純血だのってこだわりを超えて、それなりのかたまりがいくつかな。その中から使えるガキを諸星さんが見極めて、ピックアップする気だと…。会長はそういう読みだったよ」
「そうか…、今抱えてるのは、ほとんどやくざと変わらんチンピラに毛の生えたハンパもんですからね。今回のターゲットのような連中です。でも、諸星さんの描くガキをつかった2次組織化には、より”ガキ”ってことが条件になるですね?」
「ああ、そうなんだろうな。考えてみれば、自分たちの隠れ蓑の役目を果たしてくれるとなると、やくざ色は限りなく薄い方が何かと好都合だよな」
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