序章/ある見逃せない前日譚ーヒールズ・リンチ事件の真相ー

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ヒールズリンチ事件の真相/その21 南部 その後オレ達が目にした状況は、もう言葉にすること自体が、不可能だ オレ達3人は両のこぶしを握りしめ、ただ目の前の凄惨な儀式に立ち合うしかなかったんだ もっとも時間的にはアッという間で終わったよ 何とも手慣れた段取りの良さに関心してしまってる自分が、正直気持ち悪かったわ 砂垣さんたち5人はもう、気分がいっちゃって、トイレで吐いた後ソファに横になってた まあ、それが普通だろうよ… ... 「…ほい、しっかり届けるんだぞ」 撲殺人は丁寧に梱包を施した”ブツ”をオレに手渡した 既に砂垣さんらは解放され、二人の男も病院に運ばれていったんで、店内にはオレ達3人の他は相和会の人間だけだった 剣崎さんと撲殺人以外は床とか掃除してるし‥ ... 「悪いが、用を済ませたらここに電話をくれ。一応、確認したいんでな」 「わかりました。それを連絡したら帰っていいんですね?」 「ああ、そのまま戻っていいよ。ご苦労さん」 剣崎さんは最後に立ちあがると、店のドア付近に並んでいたこっちに向かって手を挙げてた わー、隣で撲殺人がニヤッとオレ達を見て笑ったぞ まさにゾーッとして、3人は足早でヒールズを出ると、早速届け先に向かったよ ... 星流会への遣いは事の他、スムーズに終えることができたよ 先方は組長さんだか会長さんはおらず、幹部クラスの人が対応に出たが、終始無表情でほとんど言葉は発しなかった とにかく無事にブツを渡した後は、逃げるように組事務所を後にした その後、公衆電話からヒールズにコトを済ませた報告をして、そこでようやく3人は一息つけた訳だ 「ふー、とんでもない目にあったな」 まず積田が大きく息をつくと、まさにやっと生き返ったって表情でそう言ったよ 「なあ…、疲れてるとは思うが、この際、今日の件を3人で総括してみないか?」 「ああ…、じゃあ、喫茶店でも入るか。まあ、血を見て気分もげんなりだから、メシは遠慮するが(苦笑)」 積田の言葉に、俺と高本は思わず苦笑いだ 結局3人は近くの喫茶店で、今日の出来事をひと通り検証することにしたんだが…
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