36人が本棚に入れています
本棚に追加
その7
麻衣
腹くくって、開き直ったとはいえ、やっぱり体が震える
目の前の”会長”は、長身だ
鴨居にアタマつっかえそうだから、背は190くらいか
スーツ姿なんかじゃなくて、黒のタンクトップだ
ざっと見る限りじゃ、入れ墨は見当たらない
仁王立ちで私の目をじーっと見てる
ちょうど2Mくらい前で
やっぱり威圧感は凄い
私も会長の目をじーっと見つめてた
2分くらい沈黙が続いた後、会長は静かに言葉を発した
「オレが誰だかわかるな?」
「はい」
私は簡潔に答えた
直後、会長は部屋の隅にある押し入れに向かった
バターンという襖を開く音と同時に、私に言った
「病院から連絡があってな、息子は死んだよ。自殺だ、病室から飛び降りてな」
さすがに衝撃で、背筋から血の気が一気に引いた
最初のコメントを投稿しよう!