プロローグ/麻衣の回想

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その7 麻衣 腹くくって、開き直ったとはいえ、やっぱり体が震える 目の前の”会長”は、長身だ 鴨居にアタマつっかえそうだから、背は190くらいか スーツ姿なんかじゃなくて、黒のタンクトップだ ざっと見る限りじゃ、入れ墨は見当たらない 仁王立ちで私の目をじーっと見てる ちょうど2Mくらい前で やっぱり威圧感は凄い 私も会長の目をじーっと見つめてた 2分くらい沈黙が続いた後、会長は静かに言葉を発した 「オレが誰だかわかるな?」 「はい」 私は簡潔に答えた 直後、会長は部屋の隅にある押し入れに向かった バターンという襖を開く音と同時に、私に言った 「病院から連絡があってな、息子は死んだよ。自殺だ、病室から飛び降りてな」 さすがに衝撃で、背筋から血の気が一気に引いた
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