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その8
麻衣
アタマがボーっとしたせいか、気がついたら会長が目の前に立ってた
手には日本刀を持ってる
すぐに鞘を抜いて放り投げ、その切っ先を私の喉元に…
「出来の悪いアホだったが、実の息子だ。俺らの業界では、例え相手がケツの青いガキでも妥協は一切ねえ。そういうことなんでなあ」
私の喉元の切っ先、まるで生き物のように、疼いてる
「紙一重で抑えてる。どうにでもなる。わかるな?」
言ってる意味は分かってる
ここで、やはり私が黙ってるのは、筋が通らないだろう
「私のやったことの責任は取ります。自分一人で。ほかの3人を返してくれたら何でもします」
私は短刀直入に答えた
「仲間を庇うのか」
「自分がいなかったら、あいつらこんなことしていなかったんで。絶対。だから庇うとかじゃないです」
かっこつけてるわけじゃなく、久美たちは私と出会わなきゃ、この状況に至ってることは100%ない
すべて、私がリードしての結果だ。単純だが、それだけのことだ
...
会長は私の目を見続けてる
そして、刀を今度は私の正座してる両足の間に上から突き刺した
思わず、正座していた両足をぴくっと開いてた
ちょうど、スカートの裾の端を貫いて、そこは股間だ…
さすがに体中からあぶら汗がどっと滲んできた
心臓もドックンドックン鳴ってるのがわかる
「男のここをお前、抉ったんだぞ!」
会長は表情一つ変えず、そう言った
「…」
私は、言葉に詰まった
だが、言われてることを明確に理解するのに時間はさほどかからなかった
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